工藤泰志が代表を務める言論NPOに関して、私たち日本人にとって重要そうな活動をまとめたwikiです。

「第13回東京−北京フォーラム」の事前協議後の座談会


4月19日「第13回東京−北京フォーラム」の事前協議後にこの協議に参加した言論NPO代表・同フォーラム実行委員会委員長の工藤泰志、元国連事務次長・同フォーラム指導委員会委員長の明石康氏、元駐中国大使・同フォーラム指導委員会副委員長の宮本雄二氏によって、北京のホテルで座談会が開催された。
座談会の議論テーマは、今回の事前協議の成果をどう評価しているのか、自由貿易体制や民主主義が挑戦を受け、また北東アジアでは安全保障環境が不安定化する中でこの日中対話には何が問われているのか、そうした歴史の転換点にあって我々は何を実現してどう貢献していくのかで、工藤が司会を務め両氏に話を聞いてみた。

事前協議で感じたこと


日本と中国は国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年となり、自由な秩序に大きな影響が出る問題が噴出しているという不安定な状況の中でありながら、問題はこれだけでなく北朝鮮の問題を含めたアジアの安全保障環境も非常に不安定化している。
このような世界の状況が安定しない中でも、日本と中国は議論してこのような問題に色んな形で取り組んでいくということを今年始めなければいけない。

今年の「東京−北京フォーラム」はその意味でも非常に大きな課題に直面している一方で、大きなチャンスでもあると思っていると語る工藤。

明石氏は、「大きな変化のある中で、日中の過去12年も続いた大変重大な民間対話の今後の変化や相手となる中国の人たちはどう対応してきてくれるのかは大きな宿題でもあったが、我々の予想以上に中国の関係者は蒋建国主任をはじめ、積極的にこの日中の対話というものを評価しただけでなく、また政府間の外交はもちろん大事なのですが、それ以上に政府とは直接の関係がない、特に有識者の対話が世論を形成する上で影響を与え、また間接的には政府の政策にも影響を与えうるということで、それに対する期待感を我々が述べる前に中国の人たちが述べていたので、私は非常に良い意味で驚いた。」と期待以上のものを感じたと述べた。

満足のいく事前協議となった


一方の宮本氏は最も心配だったのが、中国のトップである周明偉さんが退職されて張福海(中国国際出版集団総裁)さんが担当したことで、中国特有のトップが交代すると事務的効率が著しく落ちてしまうことが心配だったが、想定以上のスピードで全体のテーマを明確にして合意できたことを評価していた。
また中国の蒋建国新聞弁公室の主任からも再度「自分たちはこの『東京−北京フォーラム』を重視してこれを発展させるしかない。やる以上は必ず成功させてさらに良いものにしていく」という力強い言葉があったので、体制が整うのかという懸念についても払拭できたという成果もあり、十分満足できる事前協議だったことがうかがえた。

中国で意識の高まりを感じた


中国以外の国でもアメリカがトランプ政権になってから、不安を感じた部分が多かったが、フロリダにおけるトランプ氏と習近平氏の会談が北朝鮮問題やシリアの問題であったにも関わらず、両者が良い感じで別れる雰囲気を感じたり、中国からもアメリカに変わって世界の自由経済のトップとしてリーダーシップを発揮するような気構えを感じた場面もあった。
中国がこのように我々と同じ問題意識を持っているとは思っていても、あからさまに一緒に協力すると雰囲気を感じることができたのは大きな進展ではないだろうか。
今回の事前協議でも、日本側はこの対話に非常に強い想いがあり、大きな理念的な言ったが中国でも賛同する声があり、世界的に大きな変化の途上にある状況の中で、普通の正常化ではなくもう一歩高いレベルにする必要があることに対して、中国側でも反応した見方があり、これを今年の対話で活用したいと考えているが、世界的な流れやアジアの変化では何を貢献して何を実現していくべきだろうか。

民間外交の理念が共有される結果になった


複雑な外交問題の中で、自分の影響力がゼロになってしまうと悲観的に陥りがちですが、できれば一緒に何かしようという雰囲気が感じられ、色々な提案を中国側が受け止めてくれた態度が全体的に前向きなものに感じられた。
非常にオープンな態度に新鮮さも感じられたが、希望をもって今後のフォーラムの準備ができそうだという期待を感じられた気がする。
日本と協力して何ができるのか今後議論を深めていくことは重要となるが、バランスのとれた日中関係を構築することでこれが良いきっかけになることを願う。
そのためには、議論するわけだけではなく、課題に向かっていくことが時代を変えて、問題の解決にもつながることとなる。
日本がイニシアティブをとって、北朝鮮の平和を実現するためのロードマップなり、それなりの考え方が日本から出てくれば、さらなる世界的発展を遂げることもできるだろう。

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