言論NPOの私達にとって重要な活動 - 国際経済システムの管理
◯国際経済システムの管理における評価(2016年時点)

・世界経済システムについて
国際的経済システムはリーマン・ショックの後、その出口に向け経済調整への
対応能力が問われている。

・人民元ショックとは
金融と新興国経済に過度に依存した経済の調整は、中国では過剰生産能力の調整で進展が見られたものの、
2016年頭では米国の利上げ観測から、中国を中心とした新興国の為替レートが対米ドルで下落。
その為、資本流出が急増。特に中国ではRMB(人民元)が急落した。これを「人民元ショック」と呼んでいる。

・グローバル金融規制の強化
2016年、金融安定理事会(FSB)の主導の下で一歩一歩確実に進み、シャドーバンキングの規制や、
関連財務リスクなどの気候変動のリスクを配慮し、新しいリスクへの対応も開始した。
バーゼル3は、2017年1月に入って承認が延期となったものの、G20を軸とした金融規制の進展が続いている
ことは評価できる。
ただし、新米大統領の誕生や欧州での反自由などの動きはこうしたグローバルでの政策協調や
ルールに変調や亀裂を生みだしかねない。
想定外のリスクが目に見えてしまう可能性が出ている。

※シャドーバンキング:銀行ではない金融期間、証券会社やヘッジファンド等が行う金融仲介業務のこと
※バーゼル3:バーゼル銀行監督委員会が公表した、国際的に業務を展開している銀行の健全性を維持するため
の新しい自己資本規制のこと
※G20:主要国首脳会議G7に参加する7か国、EU、ロシア、また新興国11か国の計20か国・地域からなるグループ

・世界経済のシステムリスクにおける有識者アンケートの結果
原油の供給過多の解消に向けた減産の実施・・・22.0%
G7が世界経済安定のために強いメッセージを出す・・・23.4%
世界の開発投資などにおける国際協調・・・32.6%
中国が全人代で示した改革を不退転の決意で実現していく事・・・39.7%
金融政策だけでは限界であり財政政策による景気刺激策が必要・・・44.7%
主要国が構造改革を行い自国の潜在成長率を高めること・・・66.0%
その他・・・14.9%

※その他の中には、
◎為替市場に対する国際的な規制強化
◎安倍政権の経団連企業だけの政策を阻止し、退陣させること
◎中国が政治改革を行い、言論統制により社会の不満をこれ以上鬱積させないようにすること
◎国際国内ともに法を重視し真の意味で平和で豊かな国家を目指すこと
◎不安は解消できない
などが上げられている。

・国際経済システムの課題・問題点
回復しつつあるが、未だ世界経済は構造的不安定さを抱えたまま。
新興国に牽引されて緩やかに回復してはいるものの、先進国と新興国の成長速度の差がまた鮮明化している。

また資源・食料価格の高騰と欧州財政危機などの世界経済のリスクについては
実需増、天候、輸出国の政治情勢、資金流入等の複合的な影響で、資源・食料価格が高騰が相場の下落原因になっている。

今後の世界経済の成長のため、国際通貨システムを安定させる事、保護主義化の阻止・自由貿易の促進すること等、
G20、APEC等の国際的な場においてのコンセンサス形成に向けた協調が必要である。