工藤泰志が代表を務める言論NPOに関して、私たち日本人にとって重要そうな活動をまとめたwikiです。

東京会議・第2セッションのテーマ


東京会議第2セッションでは、グローバリゼーションと国際システムの今後をテーマに第一セッション時から続けて主要10カ国のシンクタンクトップか登壇、さらに日本の財務省から浅川雅嗣財務官、WAC委員であり武田薬品工業株式会社取締役会長である長谷川閑史氏が参加し、議論を始めた。

基調広告冒頭にて、国際協調の在り方を語る


はじめに浅川財務官から、昨年の国際金融市場に関する基調報告がなされた。
年初めから上海株が暴落し、続けてドル安円高が進行、6月にはイギリスでEU脱退の是非を問う国民投票が行われ、11月にはアメリカ大統領選挙と、波乱を呼ぶ出来事が多く起こったと振り返る。
そして国際金融分野では為替レートの安定化、国際資本移動の自由化、金融政策の独立性を3つ同時に成り立たせることは不可能であるというトリレンマを引き合いに出す。
国際政治でも民主主義とナショナリズム、グローバル化はトリレンマであり、それが注目されていると言及。
国境を越えた経済活動と国家主権の間でどのような国際協調が必要かという点が、国際社会へと問われていると問題提起した。
続けて浅川氏は世界規模化が進む社会での協調の在り方として、多国間主義・グローバリズムと地域主義・二国間主義の2つがあると述べ、この約20年の間に国際協調の枠組みがその両極で揺れていたと総括。
この2つの方向性はいずれも片方を否定するものではないと見解を示した。

国際金融における3つのリスクとは


国際金融の今後について、浅川氏は3つのリスクを挙げる。
1つ目にはトランプ政権下のアメリカ経済政策の在り方についてで、アメリカは既に超金融緩和政策を終えて出口戦略に入り、経済政策の軸を財政政策に移していると見解を述べた。
各国の金融政策の立場に触れつつ、その中でのG20議論がどのような展開を見せるのか、トランプ政権の主張はどのようなものかと注目しているとまとめました。
2つ目はEU情勢について語り、離脱を決めたイギリスとEU通商協定の道筋、日米含めた第三国とのイギリス貿易交渉が現在も不透明であると指摘する。
同時にEU内で相次ぐ大型選挙がどう転がるかも世界経済のリスク要因の1つでもあると述べた。
3つ目に中国経済に触れ、資本流出の勢いが止まらず、人民元の暴落を抑える努力を中国当局はしている。
それをサポートしたいと我々も考えていると述べた。
諸問題をどう整理するのか注目していく考えを示し、基調報告を締めくくった。

3つの論点


基調報告の後、司会を務める言論NPO代表工藤氏が発言に立ち、戦後我々が大切にしてきたグローバリゼーションと自由な国際システムの今後を議論したいと3つの論点を投げかけた。
1つ目はトランプ政権の通商について選挙中に行われていた主張が実行された場合、自由貿易などに多大な影響があるという懸念について、2つ目は今後アメリカ経済政策が世界経済にどのような影響を及ぼすか、3つ目はグローバリゼーションは本当に世界の利益になっているのか。
これに対する回答を各国のパネリストに求めた。

最初に発言したのはアメリカ外交問題評議会のジェームズ・リンゼイ氏。
トランプ政権の不確実性に対処できる様々なルールは国家間の調整によって作ることができるなど多国間主義の利点を述べつつ、トランプ政権を自由で公正な通商という信念があるが、多国間協議に対しては懐疑的。
二国間対話でアメリカが優位に立ち、公正な取り分を得られると考えていると表現した。
背景としては、国際機関や国際法がアメリカ主権を損なう考えがあると指摘する。
3月1日に議会提出された通商政策に盛り込まれた内容についても言及し、動揺が国際的に広がり、アメリカ同盟国にも影響が出ると予想した。

経済人の立場より長谷川氏は、トランプ現象の背景には反グローバリズム、テクノロジー発達による失業、不平等への不安問題があると指摘。
1980年から2008年まで、所得下位半分の人々の所得はほぼ増えなかった一方、上位1%の資産家所得は約7割も増加し、格差が広がっていると続ける。
グローバリゼーションの進展時、人々が好影響を実感するまでは時間がかかるものの、悪影響は即座に一部へと降りかかるため、この時間差が反グローバリズムへと走らせている。
自由民主主義はGDPを成長させたものの、配分は富裕層に偏り、調整する方法を誰もまだ知らないため国際社会がこれに対する答えを出さない限りポピュリズムを止められず、G7の今までのような合意も達成できないと強い危機感を表明した。

白熱した議論の中に


その後も活発な議論が続き、特に新興国サイドとして登壇していたブラジルのジェトゥリオ・ヴァルガス財団総裁であるカルロス・イヴァン・シモンセン・レアル氏、インドネシア戦略国際問題研究所所長であるフィリップ・ベルモンテ氏からは視点の異なる新たな指摘が現れる。
ベルモンテ氏は強豪国の振る舞いに新興国は振り回されるしかないというリアリズム、国家間主義の時代に入ってきていると述べ、地域における多国間枠組みによる秩序形成の重要性を訴えた。
国際間の協調は今後も続けていくべきではあるが、様々な問題で揺れ動いている中では達成は難しい。
諸国が自国内の民主主義を見直し、より磐石な体制へと築き上げる方が先決であり、今は現在ある制度をしっかりと守る基盤を育てる方に注力すべき時なのかもしれない。

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