工藤泰志が代表を務める言論NPOに関して、私たち日本人にとって重要そうな活動をまとめたwikiです。

民間外交が開く可能性とは


2017年1月11日、ほぼ同時間帯にアメリカ新大統領となったドナルド・トランプ氏初の記者会見が実施されている中、言論NPOと笹川平和財団米国は講演会を共催。講演会には約100名の聴衆が参加した。
冒頭で財団会長デニス・ブレア氏が挨拶し、言論NPO代表工藤氏が新時代における北東アジアでの民間外交の可能性、意義についてスピーチを行った。
2005年より継続してきた日中共同世論調査、日韓共同世論調査、日米中韓4カ国世論調査の結果に触れつつ、北東アジアの世論動向から政治的、外向的な課題、展望を解説した。

世論調査から見えた北東アジアの平和


工藤氏は、過去12年の中で計5年もの間日中外交関係が停止していた期間が存在すること、民間外交がその溝を埋め、対話チャネルが北東アジアの平和環境へ大きく貢献したことを紹介した。
続けて世論調査への相互理解がないことを指摘し、要因として圧倒的に直接交流が不足していること、メディア報道に相手国を知る情報源として依存しすぎている状況を挙げた。一方、中国からの観光、就職で来日する人々が大量増加した結果、日本の印象が良い傾向へ向かいつつあることから、日中での直接交流が両国の関係性を発展させる可能性があるとした。

不安定化を増す情勢の中で


次に工藤氏は、北東アジアの未来、平和についてもスピーチを行った。
中国のアジア影響力増大、日米・中国間の地政学的対立という変化が、日中韓それぞれの国民意識に影響を与えていると指摘。
とくに日中の間で政府間関係の改善と国民感情の改善に差が出てきていること、中国人の間では尖閣諸島付近で軍事紛争が起きると考える人が6割を超えたなど、安全保障について過度の危険意識が存在しているとし、8割以上の中国人が信頼できる国としてロシアを挙げていることを示唆している。

続けて慰安婦合意についても触れ、一旦日韓世論が改善に向かったものの、再び悪化の一途をたどり始めていると語る。
日韓での国民感情が複雑なのは、歴史問題の根深い不信だけでなく、韓国側に日本の安全保障政策の十分な理解がないことも要因として指摘した。
さらに北朝鮮に対し8割以上もの人々が軍事的な脅威を感じているものの、4割ほどの韓国人が日本に対しても脅威を覚え、日韓軍事紛争の可能性を感じているという世論調査の結果を公表。
理由としては日本が昨年、米との同盟強化が目的である集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈や法制度を確立し、それが軍事的関係者についてはしっかりと理解はされていても、韓国国民としては説明が不十分で、歴史問題と繋がってしまった結果十分理解されないまま誤解されている現状を示唆した。

3カ国の世論からもたらされる希望


スピーチの最後、工藤氏は中露の影響力拡大と相対的に米国のプレゼンスが薄れていくこと、朝鮮半島での情勢などによりかつてないほど世界的に不安定となる中、日中韓それぞれの半分の国民が、北東アジアで目指すべき理念として平和をあげていることを紹介。
北東アジアに平和をもたらす1つの希望となりうると語った。
民間側でこうした北東アジアの課題解決の意思を持つ世論を喚起し、平和実現へと向かって働きかけることで、政府間の外交が動くための基礎とすることができる、そういった流れを生み出すことが言論NPOの役割である、と今後に向けた決意を明らかにし、締めくくった。

活発な議論を交え、講演会は終了


その後も講演会は続き、司会をカーネギー国際平和財団上級研究員ジェームズ・ショフ氏が務め、ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センター所長リチャード・ブッシュ氏と工藤氏のディスカッションに移る。
両氏ともに言論NPOがこれまで10年以上もの間取り組んできた世論調査の実施と分析、そしてその調査結果を元に実施する民間対話の重要性を強調。
日中韓の世論動向が各国の政府内政、外交政策に重要な影響をあたえている点、メディア報道における各国それぞれの傾向や問題点、本来北朝鮮問題などの解決に向け日韓で協力すべきところが遅々として進んでいないことへの懸念などが話された。

続けて、約100名の聴取と質疑応答が行われ、北東アジアにおける台湾の役割などについて指摘されるなど活発な議論が起きた。

講演会を振り返って


工藤氏が語る通り、国民単位での直接交流は印象を更新する良いきっかけになり得ると感じる。
中国からの爆買い観光による需要と供給量、日本の細かすぎるサービスなど各所で問題となる面はあるものの、対話を重ねてともに対策を取っていけば関係はより良いものとなるだろう。
言論NPOは今後も北東アジアの平和的環境構築を目指し世論調査を行い、民間対話を実施していくという。それぞれの国で半数ほどの国民が平和を願っているからこそ、架け橋として、先駆けとして継続した取り組みを期待したい。

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