工藤泰志が代表を務める言論NPOに関して、私たち日本人にとって重要そうな活動をまとめたwikiです。

・言論NPOとは
2001年に設立した認定NPO法人。非営利団体である。
日本と世界の未解決課題解決に取り組む、市民と有識者のネットワーク型シンクタンクとして活動している。代表は工藤泰志。

・主な活動内容
政権や政党の政策が課題に向き合うものになっているかどうかを定期的に評価し有権者に判断材料を提供している。
学識者、政治家、元官僚、財界人などが参加し、過去、世界や日本国のあらゆる問題解決について議論している。
またその内容はSNSなどで世界に発信されている。

以下参照
Twitter:https://twitter.com/yasushi_kudo
ブログ:http://www.genron-npo.net/kudo/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/GenronNPO/

・主な寄付法人
アサヒグループホールディングス株式会社
株式会社NTTデータ
オリックス株式会社
キッコーマン株式会社
株式会社損害保険ジャパン
日本空港ビルデング株式会社
松井証券株式会社、などがある。

・理事メンバー
言論NPOの代表・理事長
工藤泰志
その他理事
川島 昭彦(ビー・ユー・ジーDMG森精機株式会社 代表取締役)
小島 邦夫(日本証券金融株式会社 顧問)
近藤誠一 (近藤文化・外交研究所代表)
田中 弥生 (独立行政法人大学改革支援・学位授与機構特任教授)
松元 崇 (株式会社第一生命経済研究所 特別顧問)

・監事
冨家 友道 (三井住友アセットマネジメント株式会社 事務システム戦略部 兼 企画部 理事)

・その他アドバイザリーボード
明石康(公益財団法人国際文化会館理事長、元国連事務次長)
小倉和夫(独立行政法人国際交流基金顧問、元駐韓国・駐フランス大使)
川口順子(明治大学国際総合研究所特任教授、元外務大臣)
田中明彦(東京大学東洋文化研究所教授、元独立行政法人国際協力機構理事長)
藤崎一郎(上智大学特別招聘教授・国際戦略顧問、前駐米国大使)
増田寛也(株式会社野村総合研究所顧問、元総務大臣)
宮内義彦(オリックス株式会社シニアチェアマン)
宮本雄二(宮本アジア研究所代表、元駐中国大使)
武藤敏郎(株式会社大和総研理事長、元日本銀行副総裁、元財務事務次官)
などがいる。

・活動歴
2014年4月 『言論外交―誰が東アジアの危機を解決するのか』という単行本を発売。
尖閣諸島等をめぐり政府間外交が停止し日中関係の緊張が続いている中、なぜ「不戦の誓い」が民間レベルで合意できたのか等、おおよそ500人の有識者が議論を展開。その議論が記されている。

2016年 ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)設立。世界の課題に向けた議論を開始し、東京発で日本の主張を世界に伝えた。
その他にも、東南アジアに民主主義の対話メカニズム「アジア言論人会議」を創設している。


主要7政党のマニフェストは課題解決のプランとしては不合格
  • 評価方針
主要7政党である自民党・公明党・希望の党・立憲民主党・日本維新の会・共産党・社民党に、経済、財政、社会保障、外交・安保、エネルギー・環境の5つの政策分野からアンケート形式でマニフェストの評価を行った。
評価内容は、形式要件40点、実質要件60点の100点満点となっている。
  • 評価内容
各政党共に平均評価が前回までと同様、評価が低くなっていることが目立ち、その理由として急な解散によって準備が不十分だったのではないかと考えられる。
また政党側が本来のマニフェストが何なのかという意識が低くなっていることも指摘された。
最高得点が自民党で32点、次いで公明党の23点となり、10点台の政権が半数以上を占めたことでマニフェストとしては不合格といえるだろう。
  • 感想まとめ
マニフェストは、課題解決へのプランとして国民に提示されていないことから政権選択する際の基準にすることができず、具体的なプランの提示を示してもらうことが重要である。
各政党には、今後選挙のたびにこのような状態になれば政治としての信頼を失いかねないこととなる。
信頼回復のためにも、マニフェストの大切さを再確認して欲しい。


北朝鮮危機と日本の有事体制
  • 議論のテーマ
北朝鮮との間に対立関係があり、その危機をどう認識しているのか、武力衝突ではなく話し合いなどの外交的な解決に進むためにはどうしたら良いのかなど、解決の糸口はないのか持論によって議論された。
  • 対話内容
北朝鮮との関係は外交解決することが1番望まれていることであるが、北朝鮮はその交渉には全く応じていない。
アメリカは武力行使での制裁の実行を考えていることから現状の悪化も懸念されている。
武力行使は本気ではないとの声がある中、本当に必要な時には軍事力を要する見解もあり様々な意見があるため、解決には大きな時間を要するだろう。
日本は北朝鮮に核ミサイルで脅されたとしても、はねのける拒否力をもつこと、日米同盟のさらなる強化が必要であるとの見解だ。
この半年間で北朝鮮は大きな勢力を発揮しているが、平行線になったときの今後3年間がもっとも危機に対して注意をしなければいけないとの意見も出た。
  • 感想まとめ
北朝鮮の核開発を防止させるためには、更なる圧力が必要な場合もある。
そのためには、アジア各国との協力体制が必要であることのほかに、アメリカとの同盟も強めなければいけない。
トランプ政権の見直しも必要となるが、早い立て直しが必要だ。
いずれにせよ望まれるのは早い解決であろう。


安倍政権の実績評価11分野の平均点は2.4点(昨年2.7点)に下落
  • 評価方針
今回の衆議院選挙で続投となった安倍政権だが、言論NPOの実績評価の平均は未だ高得点でありながらも、各分野で落下傾向をみせていると評価した。
  • 評価内容
言論NPOは選挙時、有権者の判断材料として11分野の実績評価を行っている。
2012年12月に安倍政権が発足されたが、現在までの4年間は5点満点中、2.5〜2.7点と高平均を維持した。
今回の選挙で続投となった安倍政権だが、現在の11分野の平均は2.4点で、昨年末の4年評価の2.7点よりも0.3点下回る評価となった。
中でも大きく下がった分野が財政であり、4年評価では2.7点だったところ、今回は0.7点も下回る2.0点だ。
次に下がった評価は政治・行政・公務員改革の分野で、4年間評価の2.7点から0.4点下がった2.3点の評価だ。
今回は昨年末よりも下がってしまったが、歴代政権の中では高水準を維持し続けている。
  • 感想まとめ
アベノミクスのより経済は黒字傾向に進んだが、それでも達成の目途が立たないことが評価ダウンにつながったが、外交や安保保証では世界混乱が起きてもリーダーシップを発揮して動いたことが高い評価の水準を維持しているのだろう。
しかし、11分野のうち2分野が大きく下回った原因は森加計問題や仕事人内閣の失敗などが影響していると考えられる。


衆議院選挙主要5党・言論NPO対談
  • 議論のテーマ
衆議院選挙を争う各5党が、どこまで真摯に日本の課題と向き合っているのか、また解決に向けてどのような姿勢を取っていくのかを議論する。ただ勝つことだけを重視しているともとられる中、マニフェストだけでは読み取りづらい難しい疑問点をぶつけ合っていく。
  • 議論の内容
自民の公約は主に北朝鮮への対応と消費税を財源とした使途の変更である。北朝鮮問題に対し、今後も国際社会と密に連携をとり圧力を固くしていく姿勢を強調し、消費税については教育、育児の方面へ投資していくと変更点を示した。
一方立憲民主党や希望の党は安部政権の暴走阻止を目標とし、憲法改正や消費増税の否定、森加計問題についても指摘をしていくと公約で発表している。
公明党も同じく森加計問題や憲法改正の話題に触れながら、教育負担の削減や経済の再生、復興についても具体的な公約を掲げていた。
  • 感想まとめ
民進党から希望の党への移動、立憲民主党の立ち上げなど、今回は国民が大きく混乱した選挙になった。
今回の衆議院選挙で森加計問題の疑問が解決までは至っていない状況であっても、自民党が優勢となる結果だったが、これは自民党の公約に対し賛成反対というより、他4党が具体的な政策を揚げているようには見えなかったことが原因と思われる。
日本の課題とどこまで真剣に向き合っているかを国民が感じ取ることができない公約では、このような結果を招くのだろう。


言論NPO緊急座談会
  • 議論のテーマ
度重なるミサイル・核実験等の北朝鮮問題において、アメリカの動きと新たな展開に関してどういう見立てをしていくべきなのか、国連の制裁決議案が提出された9月7日に緊急座談会を開催した。
  • 議論の内容
北朝鮮は核実験の強行に関して、アメリカと交渉するために必要な材料であると主張しているが、アメリカ側が提出した制裁決議案に関してこれから交渉が進められるのではないかとされており、妥協案が見つからない場合、強行的に核やミサイル等の兵器が使用されるのではないかという懸念がみられる。
また、同時に安保理の機能不全についても懸念が示された。
古川市は「中国は、北朝鮮をコントロール出来ないことに焦りを感じていて、北朝鮮に対しては、ロシアとの間で温度差があるのではないか。ロシアにとって北の優先度は低く、ハードルの許容度も低い。一方、中国にとっての北朝鮮はあくまで緩衝国であり、それが第一の国益だ。ロシアと中国の差異をどうやって棚上げするか、これからその条件闘争になるだろう」としており、今後制裁決議案の見立てがどうなるかは、中国・ロシアの2カ国にかかっていると分析している。
  • 感想まとめ
日本は北朝鮮問題に対して主体的に動くことはもちろん、各国への働きかけも今後北朝鮮問題を解決させるための重要なポイントになると考えられる。


日米中韓4カ国対話・公開フォーラム
  • 議論の方向性
日米中韓4カ国で行われた対話では、北朝鮮の核保有問題、アメリカの軍事行動の是非、核保有を止める方法などが議論された。
  • 議論の内容
北朝鮮政策は当初対話と圧力を基本としていたが、徐々に圧力優先へと変化していったとされ、北朝鮮を抑止するためには日米韓3カ国の連携が必要であるという意見が上がった。
アメリカ側の意見としては、圧力や外交交渉、ミサイル防衛など、いずれの政策をとるにしても一貫性をもたせることが必要だとされた。
韓国側は、軍事行動をオプションとしてテーブルの上に乗せること自体は否定しないとしつつ、北朝鮮はどんな軍事行動も自分たちの生存を脅かすものだと受け止めるため、事態がエスカレートしてすぐに朝鮮半島全域に戦火が及ぶことになるので、「あくまで軍事行動は最終手段にすべき」と述べた。
中国は、政治、経済、外交など包括的なアプローチを追及する姿勢だが、その中心となるべきは政治的解決だと強調した。
一方で米国に対しては、方針がわずかに軍事オプションから外れてきたのではないかと分析した。
  • 感想まとめ
北朝鮮問題は新たな展開を見せており、各国の関係に緊張感が生まれている。
北朝鮮問題の解決には、今回の対話のように国同士の意見を共有し、お互いの理解を深める場が必要不可欠と言える。


有識者・専門家333氏の安倍政権の通信簿と日本政治の評価
  • 評価方針
言論NPO代表者工藤泰志氏は、安倍首相に対する「首相としての資質」への評価アンケートを10月17日まで行った。
回答者は有識者や専門家を対象に333氏が回答し、安倍政権への評価を問いただすと共に日本の将来像を見据えた政策に今後も取り組んでいく。
  • 評価内容
4年9ヵ月時点のこれまでの安倍政権の実績評価は、5点満点のうち平均2.4点で昨年の2.59点から後退する結果となった。
また、今回の衆議院選挙に関して「納得していない」という回答が7割を越え、「安倍政権継続の確信を問う選挙」との回答が約4割、「何を問うための選挙かわからない」と答えたのが約3割となっている。
  • 感想まとめ
今回の評価アンケート結果が後退した理由は、日本の黒字化を実現できていないことと安保法制の方向性に疑問を抱いていることが最も大きく関係しているのではないかと考える。
また、解散総選挙をこのタイミングで行うこと自体が信を問われる要因になっているのではないかと思う。
国民を意識した解散でないことも安倍政権を低く支持していることに違いない。
この現状が今後のアベノミクスにどう影響していくか、肯定的な見方が増えていくことは難しいだろう。


アベノミクス実績と今回の衆議院解散で説明すべきこと
  • 各政党の経済政策及びアベノミクスの実績における議論
今回の選挙で経済分野におき、どんな政策に注目すれば良いのか、そして約5年経過したアベノミクスの実績についての議論が行われた。
議論に参加したのは、日本総研副理事長・湯本健二氏、富士通総研エグゼクティブ・フォロー・早川秀雄氏、東短リサーチ社長・加藤出氏である。
この3人からはアベノミクスにおいて厳しい評価が挙げられた。
  • アベノミクス評価をどう見るべきか
3氏はいずれも厳しい評価を示したが、中でも加藤氏からは「足元の経済は、海外経済の好調さに支えられて持ち上がっているが、マクロでみると改革も進んでない。アメリカや中国は、IT関係などで改革がずいぶん進んでいるが、日本は遅々として進まず、円安と株高で息をついて喜んでいるだけ」という厳しい見解が飛び出している。
マクロ的経済成長からみれば、アベノミクス評価は低評価と言わざるを得ないだろう。
  • 各政党の経済政策に注目すべき
今回の選挙において、アベノミクス評価は低かったものの、野党側にもアベノミクスへの対案が重要だとした。
経済政策は有権者にとって生活に関わる重要な分野であるものの、各政党の経済政策が見えにくい部分もあるだろう。
それでもきちんと有権者側が見極めることで、それぞれの政党がどのように現在の経済を考えているのかが見えてくるはずだ。


外交・安全保障を政治家は有権者にどう訴えるべきか
  • 外交・安全保障について専門家にインタビュー
今回の選挙において、各政党でも課題としている外交・安全保障の分野に対し、政治家は何を語っていくことが重要となるのか、元駐中国大使である宮本雄二氏、慶應義塾大学総合政策学部准教授の神保謙氏へインタビューを実施した。
  • 争点となるのは北朝鮮問題
両氏共に近年ミサイル問題などで取り上げられる北朝鮮との外交・安全保障を重要視する必要があるとした。
神保氏からは、「我々が厳しい安全保障環境や創造的外交の重要性ということを客観的な状況として捉えるのであれば、その問題を解決するためにどのような構想が大事なのかという構想力を競うことが大事」と述べている。
各政党においても国民が不安視している北朝鮮問題に対してどう解決していくべきなのか議論を重ね、国民に対し説明していくことが重要としている。
  • 有権者に見える、具体的な政策を
選挙ではどうしても政策の議論がおざなりになってしまう部分もあるが、不安視されている北朝鮮問題等に関してはきちんと政党内で話し合い、どのような動きをしていくのかをアピールしないことには有権者にも具体的な政策が見えてこない。
有権者の心を動かすようなアピールをするには、やはり具体的かつ解決へのプロセスがわかるよう各政党で努める必要があるだろう。


全世代型の社会保障は有効策なのか専門家が語る
  • 今後の社会保障について専門家が座談
今回の選挙で政治家は社会保障についてどんなことを取り上げ、どんな対策を有権者に訴えるのか言論NPO代表と共に3人の専門家が座談した。
  • 全世代型の社会保障は有効策なのか議論
言論NPO代表の工藤泰志は安倍総理が大義に掲げた全世代型の社会保障の将来的な意味を、3人の専門家に問いかけた。
法政大学教授の小黒一正氏は現状高齢者に支出が偏り、全世代型、子育て支援等の拡充が大事なことは明らかと告げつつ、全世代型の社会保障は国債をさらに2倍増やす赤字国債と同等だと指摘。
明治大学教授の加藤久和氏は育児教育政策が社会保証なのか、単なる再配分なのか、それともばらまきなのか区別が難しくなり、借金を返済せずに若い世代にお金を渡す事態になりかねないと警告をした。
立教大学特任教授の亀井善太郎氏は高齢者が必ずしも弱者とは限らず、本当に弱いものは誰か社会的合意のプロセスが必要であり、社会保証制度全体を変えていく必要があると主張。
国民の将来を担う問題なので、議論は先見性や哲学で政治を語るべきとまとまった。
  • 今後どう議論されるか注目
高齢化社会を迎える日本では社会保障に関する問題も重要であり、現状では有効な政策が提案されていない現状だ。
今回の選挙で消費税を社会保障や教育に使う提案が出されたが、赤字を増やすリスクもあるため徹底的な改善策の議論が求められるだろう。


政治の課題を解決するために有権者がするべきこと
  • 有権者はどう政治に関心を持つべきか
現状の政党政治や課題解決の動き、日本の民主主義が機能しているか、言論NPO代表と専門家3氏が有権者に向けて座談会を開いた。
  • 雰囲気だけで行われる現在の選挙
今回の選挙は大儀なき解散とも呼ばれ、勝てる雰囲気や選挙に勝てることを重視して離合集散が繰り返されていることが現在の政党政治の流れだ。
政策よりも選挙に勝つことが重要であり、新しい看板下でなら当選すると政治家としてのポジション確保に重点をおいた選挙と指摘された。
国民の6割は現状の政党政治に期待していないと言論NPOが行った民主主義の世論調査でも公表されており、政治に信頼がないことが財政をおかしくする要因だとも指摘。
今回の選挙は有権者の不安が強いものであったが、課題解決の政治の流れにするためには、候補者の言動にブレがないか、期待しすぎずに投票することが有権者の使命と三氏は語った。
  • 選挙への参加が有権者の使命
解散の大義が不透明であったり、新党の設立があったりして有権者にとって悩ましい選挙となった。
台風の影響もあったが選挙への関心は全体的に低いことが現状であり、政党政治への不安が投票率を下げる要因の一つだろう。
しかし、課題を解決する流れに政党政治を変えるためにも、候補者の主張を理解し、過剰な期待を持たずにまずは投票することが大事だ。


ドイツ・ハンブルグG20サミットの評価とは
  • G20サミットへの評価に対する議論
G20は、7月にドイツのハンブルグで第12回G20首脳会議が行わた。
このG20を評価するべく、元IMF副専務理事で財務官も務めた加藤隆俊氏と、2年前まで財務官だった山達雄氏の2人をゲストに迎え、世界秩序が不安定化する中で、国際的に自由な経済システムと貿易を目指すG20そのものの役割なども含め、今回のG20の評価をした。
  • 国際問題に対するG20での議論に対する評価
世界的に、人々のグローバリゼーションへの不満が問題視されている。
このような不満を解消するためにも、社会的・経済的弱者に対する手当が必要なのだ。
特に国内と国際、両面での政策調整を急がねばならない。
そのためにも、G20がリーダーとなり進めることが重要だ。
  • 感想・まとめ
G20が中心となってグローバリゼーションの良さを高めるためには、まずはその軸となるような成功例がなければならない。
現在、日本の政治は選挙戦の傾向を含めても比較的安定しているのだろうか?
だとするならば、今後2019年に開催されるG20サミットでリーダーシップを取り、新たな秩序を形成していく必要があるだろう。
我々に未来を明るいものにしていくためには、課題をしっかりと見据え、改善していくための姿勢が重要だ。


ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)第2回会議報告
  • グローバル問題解決に向けた議論
言論NPOは9月12日、世界が直面するグローバルな課題の解決に向けた日本国内の議論形成、およびその解決策を東京から国際社会に発信するための有識者会議「ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)」の第2回会議を開催し、WACの委員及び専門委員10名が出席した。
  • WAC会議での内容
第2回東京会議に向けた準備報告、また世界が直面するグローバルイシューと喫緊の課題が報告された。
東京会議に向けても、具体的に何を議論するべきか意見交換が長時間に渡って議論されたのだ。
2018年のG7サミットの議長国、カナダとの連携なくして成功はあり得ない。
従って、アジェンダを明確にすることも必要不可欠としている。
  • 課題の多いグローバル問題をどう解決していくべきか
世界的に、グローバルな課題・問題は深刻である。
この問題を早期に解決するためにも、日本国内だけでなく主要国やG7サミットで重要となるカナダとの議論が重要だ。
自由民主主義という概念を再度見つめ、克服すべき試練や現状を今一度熟知しなければならない。
世界的に問題視される課題は山積みである。
東京会議においても、これらの解決に向けた有効手段となることを切に願いたいものだ。


財政再建は本当に必要なのか 〜衆院選を前に改めて考える〜
  • 財政再建の必要性に関する議論
今回の選挙にて、安倍首相は消費税増税における増収分を教育無償化にあてることを主張し、その結果2020年度の基礎的財政収支を黒字化させるという当初の目標達成は困難であると表明した。
今回の主張及び表明から専門家は今後の財政再建の必要性について議論を行なった。
  • 財政再建が必要な理由とは
専門家の意見としては財政再建は必要であるとした。
中でも慶応大学経済学部教授・土居丈朗氏からは「わが国の少子高齢化がさらに進む中で、社会保障の受益と負担の世代間格差が拡大しており、この拡大を一日も早く防がないといけない。財政収支が改善されれば、その分だけ、将来世代が負担する国債残高が抑制でき、将来世代の租税負担を抑制することが出来る」とし、財政再建は必要であると意見を強めた。
さらに、現在の社会保障は若い世代の信頼を何とかつないでいる状態で保っており、この信頼が揺らいでしまえば財源の確保が一気に難しくなってしまう可能性が高いとしている。
  • 財政再建は必要箇所に向けて行うべき
財政再建として最も重要な点は、やはり必要箇所に向けて行うべきだということが言えるだろう。
例えば教育の部分で何となく無償化するのではなく、結果としてどうなるのか具体的に検討することが必要だ。
やはり財政再建においても具体性を高めることが重要である。


果たして民主主義で信頼を取り戻せるのか
  • インドネシア元外相との議論の内容
インドネシア元外相「ハッサン・ウィラユダ氏」が来日したことを機に、日本国民が今最も気になっている民主主義の問題について意見を聞いた。
世界の民主主義が危機を迎えている中で、将来信頼を回復させることができるのかここで議論を行った。
  • 適切なリーダーであれば回復は可能
民主主義とは常に良いものへと更新し続けなければいけないもので、今現在信頼が欠けていても民主的に選ばれたリーダー次第で民主主義の機能が的確に果たされることは確かであるとハッサン・ウィラユダ氏は述べている。
残念ながら民主的に選ばれる立候補者の中には有権者の怒りや不安の感情を利用して選挙に勝とうとしている人達ばかりだ。
最近の先進主要民主国家の選挙では有権者の反抗心や感情に依存している状況がうかがえる。
  • 候補者は政策よりも感情が優先に
日本選挙でも国民の不安や怒りに勇ましい対応を決意する政治家が多く、その政策本位で投票してしまうという現象が起きている。
しかし、民主主義に対する期待はあるものの、どこか客観的に信頼できず疑問を持っている有権者も多いのではないだろうか。
感情に押し流されず投票するためには、立候補者がどのような政策に取り組んでいくのかという具体的な情報を国民にアピールしてしてほしい。


民主主義を強化するための公開フォーラム
  • 民主主義の不完全を解決するための議論
「第3回アジア言論人会議」が9月8日に開催された。
言論NPOのアドバイザーである宮本雄二氏は「民主主義は世界的な危機に陥っている。しかし、統治の正統性として、これに優るものはないし、これをさらにいいものに改善するしかない。アジアそれぞれの文化と融合して発展し、明るい未来を築いていきたい」と開会の挨拶で延べた。
今回の公開フォーラムでは民主主義の問題を改善させるために民主主義の本質を解きながら議論を展開していく。
  • 東アジアの民主主義に対する対話
インドネシア元外相ハッサン氏は、民主主義は衰退しているのではなく民主主義に対する感情が変わってきていると語っている。
これに対し、パラビ・マイヤー氏は必ずしも民主主義が最善ではないと否定的な意見を述べた。
民主主義に同調する意見も多い中、こうした反対意見も議論の中で繰り広げられた。
  • 民主主義は世論調査でも明確に
民主主義の秩序は、世論調査でも明らかになっている。
非常に悲観的な日本人は、5割以上の国民が将来に不安を抱えているという調査結果がある。
これを見解していくと、日本にとっては民主主義は当たり前の仕組みだが、今後の世界情勢によっては実行力のある警察や軍などの組織を強化させるという選択肢しかないようにしか思えない。


北朝鮮問題への解決に向けてどうしていくべきか、緊急座談会を開催
  • 北朝鮮に対する新たな制裁決議案の提示を受けて
北朝鮮の核実験やミサイル等の行動が激しくなる中で、アメリカと日本などの各国は北朝鮮への新たな制裁を科すための制裁決議草案を国連安保理に提示し、9月7日には国連の制裁決議案として出された。
これを受けて、言論NPOでは北朝鮮問題に詳しい3氏を迎え、緊急座談会を開催。
今後北朝鮮問題を解決するためにはどうすれば良いのかを話し合った。
  • 制裁決議案は北朝鮮の孤立化を狙うもの
制裁決議案の内容を見ると、北朝鮮を孤立化させるものが多くみられる。
また、中国とロシアはあくまでも対話の姿勢を崩していないが、今後日本とアメリカなどは中国・ロシアに対してどう絡めていくべきかが重要なポイントとなることを語った。
また、元防衛事務次官の西正典氏は、「単に『圧力をかけてください』とお願いするだけでは駄目だ。日本自身が手を汚すことも考えなければならない。そうした覚悟がないと間に合わなくなる」と発言。
日本側による整備も重要だとしている。
  • 日本全体で考えなくてはいけない
北朝鮮問題は既に何度も日本に対して脅威をもたらしてきた。
国民の中でも北朝鮮問題を重視する人は増えてきている。
日本国民一人ひとりが北朝鮮問題に対し、どう行動していくべきかを見守るだけでなく、考える必要が出てきているのだ。


北東アジアの平和を作る、日中安全保障関係者との対話内容
  • 日中安全保障関係者12名による対話
言論NPOでは北東アジアに平和を作るための対話を始めた。
第1回は日中の安全保障関係者12名を集め、日中の安全保障について話し合いが行われた。
対話の前半では平和秩序の形成について、後半では北朝鮮の核脅威に対し日中間で何位をしていくべきかを話し合った。
  • 日中それぞれの意見・見方が出た今回の対話
今回の対話では、まず日本側から「日中は将来の目標を共有できるのか、ビジョンが一致していなければ、摩擦は起きる」という意見が上がった。
これは、安倍首相が中国に対し経済交流や東シナ海での協力等を指すもので、中国側もこれを聞き、そういった話を聞いたことはないとした。
メディア等で報道されないことから日中間で意思疎通ができていないとした。
北朝鮮問題に関する対話についても、中国側は日中協力によって北朝鮮の脅威を減らし、北朝鮮に対して交渉まで持っていける程の気構えで望むべきとし、日中ともに北朝鮮問題に対して積極的に取り組んでいくための一歩を踏み出した。
  • アジアの平和を構築するには日中対話は重要
今回の対話で、いかに日本側の意見・行動が中国側には報道されていないということが明らかとなり、対話不足によって両者共に誤解を受けている場面が多くみられた。
まずは対話不足を解消することが、アジアの平和を構築するためにも重要な項目だと考えられる。


民主主義に対する世論調査結果における記者会見
  • 記者会見で発表された世論調査結果
「第3回アジア言論人会議」が行われた9月4日、同会議を主催する言論NPOは都内で記者会見を開き、日本、インドネシア、インド、マレーシア、韓国の5カ国で実施した民主主義に関する世論調査結果について、記者会見を行い発表した。
  • 日本の世論調査とアジア各国の世論調査比較
日本における民主主義への本来の挑戦と運営は未だに不十分である。
実際、日本の政党が課題解決する可能性は低いと判断する国民が多い。
そもそも政党に対する信頼度も低く、政治家へ対する不満が民主主義を機能させない理由の1つとなっているのだ。
インド・マレーシア・インドネシアにおいても、民主主義に対する楽観的な現状や、経済発展に繋がっていない現状を指摘している。
  • 民主主義はまだ不十分
日本含めアジア各国では、民主主義の機能が十分でないことは確かだ。
山積みとなっている課題を着実に解決できなければ、更に政党に対する不信感が募るに違いない。
特に今、日本に必要なのは民主主義としての自覚を政治家1人1人が再認識し、問題解決に向けた姿勢ではないだろうか?
民主主義を鍛え直し、強固なものにしていくためには、国民の民主主義に対する認識も重要となるだろう。


点検と仕組みづくりで民主主義を成長させる
  • 民主主義のあり方を問う議論
第3回アジア言論人会議にて「アジアの民主主義のため、まず何に取り組むべきか」をテーマとする議論が行われた。
アジア各国が自国の民主主義の試練を乗り越え、そして民主政治を鍛えるために、どのようなことに取り組むべきなのか、政党政治やメディアのあるべき姿や有識者の果たすべき役割、さらには今後アジアの民主化国の間でどのような協力を進めていくべきかを議論した。
  • 民主主義を機能させるために必要なもの
民主主義は、自国のみならずアジア各国政党との課題が山積みとなっている。
有権者の政党や政治家を見る目が、ある意味民主主義を鍛えると言っても過言ではない。
更には、有識者の役割と国際的な連携は民主主義を活性化させるために必ず必要となるだろう。
  • 民主主義の仕組みと機能を確実なものに
自国だけでなく、アジア各国でも、それぞれ民主主義に対する仕組みは既に構築されている。
しかし、それを確実に機能させなければ、今後の民主主義に対する否定的な意見が増えるに違いない。
これは日本のみならず、国際的な問題であるということに気付き、早急に取り組むべき課題なのかもしれない。
また、メディアがどこまで民主主義の報道をしていくかによっても有権者の判断にも影響していくだろう。


日韓未来対話での北朝鮮核開発問題における議論
  • 北朝鮮問題に、日韓はどう対応していくべきか
日韓未来対話公開会議第2セッションでは、東アジア研究院院長の李淑鍾氏による司会進行の下、「北朝鮮の核開発を食い止めるために日韓は何ができるのか」をテーマに議論された。
米国も北朝鮮のミサイル問題には否定的だが、そのシナリオを持ち合わせてはいないのだ。
  • 日韓関係はどこまで協力し合えるかが焦点に
そもそも北朝鮮はなぜここまでの核開発が進んだのか?
外交交渉や対話は失敗に終わり、米軍の軍事圧力に関しても開発中止には至らなかった。
国連制裁も効果がなく、むしろ核開発を加速させることになった。
主要関連国は、北朝鮮の核開発の要素を様々な手段を用いて0にする必要がある。
  • 危機的状況だからこそ連携を
北朝鮮の危機的状況はこれからも変わらないのだろうか。
しかし、危機的状況がもたらすとみられる諸外国との協力拡大は好機と捉える面もあるようだ。
日米韓協力に対し、本腰を入れるときに来ているのではないだろうか。
米国は、北朝鮮に対しここまで関心を向けることはなかったと言える。
だからこそ今、日韓が協力することは米国の北朝鮮に対する積極的な姿勢を支えるために必要不可欠なのだ。


日韓関係はなぜ悪いのか、原因と課題を追及
  • 第5回日韓未来対話第1セッションでの内容
言論NPOと東アジア研究院が共催している第5回日韓未来対話の第1セッションが開催された。
このセッションでは、日韓の世論調査を基になぜ日韓関係は悪いのかをテーマに専門家による議論が行われた。
  • 日韓関係悪化の原因とは
日韓関係悪化の原因として挙げられたのが、慰安婦問題などの歴史的な問題と独島・竹島の領土問題である。
この2つの問題は今でも解決策は見出せず、平行線を辿っている。
韓国側としては日本に対するイメージは徐々に良くなってきているものの、逆に日本側が嫌韓を示す人が多くなったことに対して、韓国人と韓国をまとめて考えてしまうのは危険だという意見も出た。
両者が互いに歩み寄りを見せなければ、日韓関係は悪化したままとなってしまうだろう。
  • 日韓関係の未来
日韓関係には未だ悪化の原因は多数存在しているが、徐々に悪化ではなく「関心がない」という心情に変わってきている部分がある。
しかし、韓国では7割近くの国民が「日韓関係を改善したい」と思っているのだ。
こうした意見を尊重し、声を上げることで関係も徐々に変化していくのではないだろうか?
一人ひとりの認識による違いをなくすためにも、日韓対話は非常に重要なのである。


第5回日韓未来対話非公開会議での議論内容
  • 第5回日韓未来対話・非公開セッション
7月28日より開催された「第5回日韓未来対話」では、揺れる日韓関係と北朝鮮の核開発問題を主題に各専門家による意見交換が行われた。
特に今回の非公開セッションでは、日韓両国の関係についての議論がなされた。
  • 日韓関係の問題点とは
非公開セッションでは、日韓関係の問題点について各専門家が意見した。
非公開という場だけあって日韓両国の本音が行き交った。
例えば、未だに韓国では親日がタブーとされており、売国奴だと言われてしまうこともあるという意見から、慰安婦問題が反日や反韓に利用されてきたことで、どれが正しい説なのか政府としても混乱しているなどのような意見が出ている。
このことから、日韓関係の原因と課題は双方での対話をより深めていき、理解することが重要だということがわかる。
  • 日韓関係を改善させていくには
日韓関係を改善していくために、政治に反日・反韓を持ち込まず誠意に相手と向き合うこと、そして何より世論の偏見や誤解などを正すために国民一人ひとりで市民外交を行なっていくべきだと考えられる。
日韓関係を改善していくには大きな政策はもちろん重要だが、一人ひとりに認識を深めることも重大な課題なのである。


日韓関係を改善するには?第5回日韓共同世論調査を受けて
  • 第5回日韓共同世論調査を受けて
第5回日韓共同世論調査の結果、韓国人が日本人に持っている印象は改善傾向にあるが、日本人が韓国人に持っている印象は悪化している。
  • 印象悪化の原因とは
なぜ日本人は韓国人への印象が悪化しているのに、韓国人は中国人よりも日本人へ親近感を持つ人が増えたのだろうか。
今後改善させるためにすることは何だろうか。
他にも今回の調査で、慰安婦問題などを含めた歴史認識問題が解決する可能性が非常に低いとの見方があり、日韓合意に対しても未だに否定的な意見が増加している。
全体的に見たときに、日韓合意こそがこの日韓関係にマイナスの影響を及ぼしていると解釈できる一面もあり、また再交渉でも新たな進展を得られないという意見もあり、慎重な対応でなければ今後も悪影響になりかねないと考えられる。
  • 問題点は他にもたくさんある
日韓関係の問題点は慰安婦の他にもあり、現在は北朝鮮の核開発問題を巡っての安全保障協力やFTAなど経済的な協力課題もあり、多方面から積極的に推進しくことで、慰安婦問題を相対的な比重を下げることができるだろう。
日韓問題の中で、慰安婦だけにとらわれて関係が悪化してしまうのは賢い選択ではないので、今後も慎重に取り扱ってほしい。


日韓共同世論調査が発表、記者会見での内容
  • 第5回日韓未来対話を前にした世論調査発表
言論NPOは、24日東京・日本プレスセンターにて「第5回日韓共同世論調査」の結果を発表した。
この記者会見は、毎年韓国東アジア研究院(EAI)と共同で断続して行われてきている。
今回は日本側は工藤代表、韓国側は孫洌・延世大学国際学大学院教授が立ち会い調査データの読み方について解説した。
  • 日韓共に安全保障を共有
日本の印象は「良くない」と回答した韓国人は56.1%に対し、韓国に印象は「良くない」と回答した日本人は76.5%だった。
日本の印象は昨年61%と回答した割合に比べると改善傾向にある。
一方、日本が韓国に対して良くない印象を持っている最大の理由は、歴史問題などで日本を批判し続けるからという回答が多いようだ。
しかし、両国共に民主主義国家であるという共通点があることから、直接交流が盛んに行われ、今後より一層理解が深まることが期待されている。
  • 今後の日韓関係における考察
両国が抱えている問題「慰安婦問題」については未だ互いに解決できていない問題である。
この現実をどう改善していくかは、お互いの交渉次第だが今後日韓関係を発展させていくためには長年解決できなかったこの歴史問題の再交渉を重ね、話し合っていくことを優先しなくてはならないのではないか。
しかし、慰安婦問題が解決したからといって、日韓関係が発展していくとは言い切れないだろう。


日本国民が見るトランプ政権と日米関係、緊急世論調査の結果
  • トランプ政権に対する日本国民の信頼
トランプ政権発足から半年の節目を迎え、日本国内で日米関係やトランプ政権に関する世論調査が行われた。
その結果、国民の半数はトランプ政権の誕生によって「アメリカへの信頼が減少した」と感じていることが明らかになった。
  • 国民はアメリカの現状をどう見ているのか
今後の日米関係に関しては、不安が高まると回答した人の割合は56.9%と、6割近い。
また、トランプ大統領の行動に関しても、「アメリカが主導した国際秩序自体を壊しかねない」との回答が最多の44.1%となり、今後のアメリカのリーダーシップに不安を抱いている人が多い結果となった。
その他テロ対策、気候変動への対応、世界における民主主義の促進など8つの分野においても、テロ対策を除く7つの分野「アメリカのリーダーシップに期待できない」という声が半数を超えている。
  • 4割を超える国民が日米関係に疑問を抱いている
トランプ政権、アメリカの国際的なリーダーシップに関して、半数以上の国民が不信感を抱いていることが明らかになった。
また、今後の日米関係に関しても、アメリカとの関係の重要性は認めながらも、アメリカとの関係だけを重視するのは危険だという意見が多数上がっている。
アメリカだけに過度な期待を寄せるのではなく、様々な大国との関係を正常にしていくことが重要だ。


イギリス・フランスで開催された選挙から、民主主義とEUの未来を考える
  • イギリス・フランスで開催された選挙への見解
マクロン氏がフランス大統領選挙に勝利した理由に関しては、硬直化しているフランス政治に対する国民の反発が大きかったという見解が共通した。
失業問題、難民問題などへの対応が不十分なことが国民の不信感に繋がった見られる。
イギリス総選挙については、EU交渉に関する対応が不十分であったことがメイ首相の敗因の1つとの意見が挙がった。
  • 欧州の選挙結果から読み取れること
欧州における一連の選挙結果に関して、「ポピュリズムの席巻にブレーキがかかった」とする見方が一致した。
これまでは社会に対する不満などの感情の勢いが勝っていたものの、今は理性の勢いがそれを押し返しているという指摘がなされた。
  • 民主主義とEUの未来
EU統合の今後については、ユーロ圏の財政的な統合が必要である一方で、そうした統合への反発が強まっていることから、今後は加盟国間で「異なる速さと深さ」で統合を進めるマルチスピード方式で進められていくだろうとの見通が示された。
日本にとってはアメリカとヨーロッパが価値を共有するパートナーであったが、今後は必然的にヨーロッパの価値が高くなるとみられる。
アメリカや大西洋の視点から見るだけでなく、ユーラシア全体の動きとしてEUの動向を見ていく必要があるだろう。


北朝鮮危機にまつわる日本の有事体制の今後
  • 北朝鮮危機と日本の今後の在り方
刻一刻と緊迫する北朝鮮情勢と核の脅威。
そんな中、日本の今後の有事体制はどうあるべきか、日本が直面する課題やアメリカとの関係等について、6月13日に各専門家によるセッションが行われた。
  • 日本の課題から見える今後
アメリカや中国に対話や制裁を任せきりになっている現状をまず変えねばならない。
北朝鮮が核を保有しているという事実を再認識すると共に、それに対する対策を考えることを前提とし核を拒否する力を持つこと、日米同盟をより確実で強固なものにする必要があるなどの意見が出た。
また、トランプ政権の未熟さについても触れ、その準備不足から招かれた現状危機と今後の懸念についても言及。
しかしそれによって中途半端な軍事的圧力や経済制裁では、北朝鮮の行動は何も変わらないことを再確認できたが、北朝鮮をいかにして対話の壇上に上げるかが今後の最大にして最も重要な日本の課題と言えるだろう。
  • 日米間の足並みを揃えられるのか
未熟さが伺えるトランプ政権と揺れる安倍政権、両国の足並みが揃わなければ、北朝鮮を対話へと持ち込むのは難しい。
トランプ政権にストッパーが居ない今、安倍政権の真価が問われている。
トランプ大統領訪日での成果を期待したいところだ。


米・通商政策と日本の自由貿易体制はどのような変化が考えられるのか
  • 自由貿易体制の行く末を議論
アメリカ大統領に就任したトランプ氏は保護主義的な経済政策を掲げ、5月に開かれたG7では首脳宣言に反保護主義を明記に難色を示したが、結果的に合意。
その一方、アメリカを除く11ヵ国はアメリカを抜いた協定で勧めていくと合意し、UE初納会段でも反保護主義で一致し、自由貿易を推進する動きが見られる。
今回は自由貿易体制について3人の専門家が議論した。
  • トランプ氏が自由貿易の脅威?
WTOの紛争解消手続は中立性で群を抜いているが、トランプ氏はその紛争手続に強い不満をもっており、WTOの判断を無視する状況が加速すると自由貿易体制の脅威になると分析。
東京大学教授の中川淳司氏は「自由貿易はあくまでも「経済のパイ」を大きくするだけで、そのパイを切り分けるのは国内政策の問題であり、その恩恵にあずかれなかった人々のケアも国内政策の問題」と解説し、トランプ氏は自国の責任も相手国のせいにして自由貿易自体をなくす狙いがあることを指摘した。
逆に日本は自由貿易体制で主導権が握れる好機とも捉えることができるが、日本だけでは力不足なので地道に説得をし続けて通商政策とることが前提と語った。
  • 日本は地道の説得が必要か
トランプ氏が保護主義な通商政策を進めればそれが世界全体に浸透し、世界恐怖後の世界貿易縮小、さらの第二次世界大戦のような悲惨な事態が再来する可能性がある。
ワーストな結果を避けるためにも、日本は地道に説得を続けてトランプ氏に自由貿易の理解を示してもらう必要がある。


イタリアG7サミットでの評価を専門家が議論
  • トランプ大統領によるG7の影響を議論
5月26日、27日にイタリアのルオルミーナにてG7サミットが開催。
保護主義的を掲げたトランプ氏の登場により、イタリアG7はどのような影響があるか今回のG7の評価を3人の専門家が議論を交わした。
安全保全、北朝鮮、テロ問題は7ヵ国共同歩調を維持する傾向を見せたが、それ以外の問題は不調和音がみられることを指摘されている。
  • 7ヵ国の結束が強まったと見られない評価
今回のG7では保全外交保障、マクロ経済為替などは明確なメッセージが出たものの、米国は気候変動について態度を留めるなど一致されないテーマもあった。
また、意見は異なるが理解はあるとポジティブな結果はあまりみられず、結束が強まった印象のないサミットにも思えたという厳しい評価もある。
今回のG7は市民宣言的な特徴が強く、以前と比べて声明も圧倒的に短い。
今後は大きな協議が行われる場だけでなく、たくさんの市民に各国が抱える課題を理解してもらえる体制を整えることも、G7の課題の1つとも語られた。
  • 全ての市民がグローバルな課題に目を向けるべき
G7分では各国の課題を本音で語り合う場だが、その中には日本人が意識しないグローバルな課題も多くあり、それを7ヵ国全ての市民が課題を理解することも今後は必要となる。


問題解決に向けた議論を展開・第7回言論NPO政策勉強会
  • これからの日本の未来を考えた勉強会
言論NPO八丁堀オフィスで6月8日に「第7回言論NPO政策勉強会」が開催された。
元自衛艦隊司令官の香田洋二氏を迎え、これからの日本の未来を左右する様々な問題の解決に向けての取り組みを中心に議論がなされた。
  • 核問題による今後の国内外の動きについての講義
勉強会当日には北朝鮮から日本海へ向けて数発の地対艦巡航ミサイルが発射された。
北朝鮮の核やミサイルは開発が進められ、脅威を増すばかりである。
そして、アメリカでも本土に到達することが考えられているミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とす実験を行うなど、対策が取られている。
香田氏はこのような事態を踏まえ、アメリカ軍が今後どのような展開を見せていくのかを解説するとともに、米軍と自衛隊のオペレーションについて講義を行った。
そして、日本にもミサイルが撃たれた場合の国民の避難行動についても解説した。
香田氏による講義はメディアでは語ることがないような時には厳しい意見も交えた勉強会となった。
  • 日本の将来のための対策方法とは
北朝鮮問題についてはアメリカだけではなく韓国や中国などと連携をして解決していかなければならない。
だが、核やミサイルについての現状や目的についてを知ることも必要である。
国民は自国にミサイルが撃たれた場合の対処法などをしっかりと把握し、実行に移せるよう対処をしなければならない。


言論NPOの活動についての意見交換・第23回アドバイザリーボード会議
  • 言論NPOの今後の活動に関する意見交換
今後の言論NPOの活動についての意見交換を中心とした会議となり、2017年に行ってきた活動の報告や今後の方向性などを代表の工藤氏のほか、国際文化会館理事長の明石康氏、大和総研理事長の武藤敏郎氏など7名による意見交換がなされた。
  • 2017年の言論NPOの取り組み内容と今後の展開
2017年2月に行われた「東京会議」の議論を日本政府とG7議長国に提案する仕組みを作り出したことを皮切りに、様々な会議や協議を繰り返し、アメリカの訪問の際には政治家やメディア関係者と面会したことを紹介した。
そして、工藤氏は今後の言語NPO事業として世界問題を東京会議を土台にして解決に向けた議論を展開すること、民主主義を強化するための議論を行うことを報告し、これを実施していくためにも協力が必要であると要請している。
  • 言論NPOの今後の方向性
言論NPOの今後の方向性としては、今まで行ってきた取り組みの強みを生かすことが肝心である。
世論調査によって国民の意見をしっかりと汲み取り、適時適切な議論を行っていくことが重要である。
そして、政治に関しても短期ではなく長期的視点での課題解決に向けた議論の展開が重要だ。
これからも意見交換を活発的に行い、言論NPOの活動を強化していく必要があるだろう。


WAC会議始動、日本から各国へ発信する有識者会議
  • ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)とは
WACとは、世界をまたがり発生している課題の解決を議論する日本国内の有識者会議であり、解決策を世界に向け東京から発信していくことを掲げている団体である。言論NPOでは東京会議を発足させ世界10カ国からシンクタンクの代表を招集し議論をしたが、次回の12回目となる東京会議に向けて再度このWACを召集することとなった。
  • ゲストには外務省経済局長が招かれた
ゲストスピーカーとして外務省経済局長の山野内勘二氏が招かれ、イタリアでのG7タオルミーナサミットの成果と課題を報告した。日本の安部首相とドイツのメルケル首相が現在のG7の最古参であり、同時にアメリカのトランプ大統領とも対話ができる間柄であることから、G7分裂阻止や保護主義と戦う声明を出す際には大きなリーダーシップをとることができたと話す。G7がメディアで報道される見解とは違い有効であることなども話、東京会議の発信したメッセージも意味があったと見解を述べていた。
  • 今後もグローバルな課題について論壇形成をしていく方針
東京会議自体についても、次世代の育成のためにインターンを通じて学生を参加させていくことなど、複数の点で意見が交わされる活発な議論となった。
WACは今後も定期的に会議とフォーラムを行っていき、国内での論壇形成に向け積極的に活動すると締めくくった。
このようなグローバルな課題解決に向けて、そして次世代育成を同時に並行させるWAC会議は今後の活動によって日本はもちろん、世界的に良い方向へ変化していくことを期待している。


第13回東京-北京フォーラム開催に向けて
  • 日中実行委員会共同事前協議に関する報告
「第13回東京−北京フォーラム」実行委員会の第2回会議に参加した実行委員長の3名は、いずれも事前協議関して充実した対話をスムーズに行うことができたと評価した。
これまで中国側との協議は上手くいかないことが多かったが、中国側の主催者が新体制に変わったことで協議可能な体制になっていたとの意見が上がった。
  • 平和宣言へのコンセンサス
日中双方が合意至った事項の1つに「最終日に日中間の合意事項として『コンセンサス』を発表する」という項目がある。
このコンセンサスに関しては、2017年、2018年がそれぞれ日中関係の1つの節目であることから、「第9回フォーラムで打ち出した『不戦の誓い』に続く第2弾となるようなコンセンサスづくりに取り組みたい」との説明がなされた。
「常設安全保障対話」については基本方針の合意があったため、今年から正式な対話となることが報告された。
  • 東京-北京フォーラムが担う役割
各委員からは日中関係の現状、米中関係の今後など幅広い意見が寄せられた。
フォーラムの開催時期に関しても、トランプ大統領の弾劾の行方や北朝鮮問題の結論が見え始める頃であるため良いタイミングだと言える。
米中の緊張感の中で、日本、そしてこのフォーラムの役割は大きいだろう。


専門家によるトランプ政権の評価、アメリカはどう変革していくのか
  • 100日間の蜜月は新大統領に訪れず
トランプ氏が大統領に就任してから100日が経過し、それまでの評価はどうかを議論する。
通常アメリカでは大統領に就任してから100日間の間はメディア側は批判を控える習慣になっていたが、トランプ大統領に対してはその習慣が出ることはなかった。
深刻なロシア問題にも触れつつ、談話は進んだ。
  • 向かい風の強い傾向
ロシアの高官に機密情報を漏らしているのではないかというトランプ大統領への疑念問題から談話はスタートした。
それに対しアメリカの民主党からは怒りの声が、トランプ大統領の在籍する共和党からも懸念が囁かれている。
支持率も40%と過去最低から開始しており、4年間大統領を務め続けるのは難しいのではないかという見方が座談会メンバー内での多数意見となる。
しかし、仮にトランプ大統領が大統領を辞めたとしても共和党としては痛手になることは少ないとの意見も出てきた。
そういう考えを持つ共和党派も一人ではないと予想。
  • トランプ大統領は英雄となるか
世論の動向は厳しく、全体の傾向としてはトランプ大統領に対して向かい風となっている。
しかしそれでも大きな変革を期待している人もいる。
さらなる事件が重なれば間違いなく味方はいなくなるが、期待に応える変革があれば支持率が逆転する可能性もあると言える。


世界の現状をどう感じているのか有識者にアンケートを実施

言論NPOによって実施されたアンケート結果を報告
3月4日、G7参加国のアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダのほか、ブラジル・インドネシア・インドの合わせて10ヶ国のシンクタンク代表と東京会議を行った。
この会議では国際秩序や民主主義のこれからを議論し、議論の結果を日本政府やG7議長国のイタリア政府に提案した。
その会議では、先駆けて行われた言論NPOによるアンケート調査結果も公表された。
今回はそのアンケート調査結果をご紹介していこう。

アンケートの回答者について
・総回答数:281名
・男性:86.9%
・女性:13.1%
・年齢
10代から20代:6.8%
30代:11.4%
40代:10.0%
50代:21.7%
60代:26.0%
70代から80代以上:24.2%
・職業
会社経営者・幹部、メディア関係者のほか、公務員やNPO関係者、学者、研究者、学生など様々な職種の人から回答を得た。


アンケート:ドナルド・トランプ大統領についての評価
ドナルド・トランプ大統領が就任し、アメリカだけではなく日本にも様々な影響があった。
トランプ大統領の行動や発言に関しても、度々ニュースで取り上げられ問題にもなっている。
そのことを踏まえ、トランプ大統領についての評価をアンケート調査したところ、以下のような結果となった。

・アメリカの現状を考えた適切な行動で評価できる:5%
・アメリカ国内外に不安を与える行動もあり評価できない:24.6%
・不安を高める危険な行為だ:34.5%
・選挙時の発言を実行に移すとは考えられず評価困難:27.4%
・よくわからない:0.4%
・そのほかの回答:8.2%

評価している人は5%と少なく、トランプ大統領の行動や発言は危険と判断している回答者が多いことがわかった。
北朝鮮問題では、武力行使に及ぶような発言を繰り返したりすることで過激な発言も多いことから、評価が下がったのだと推測できる。


アンケート:世界で起こる出来事の心配対象とは
トランプ大統領就任だけではなく、世界では様々な出来事が発生している。
英国のEU離脱や難民問題、貧困など様々な問題や変化があり心配になることも多いだろう。
そこで、世界状況の中でも心配していることは何かアンケート称さしたところ、以下の結果となった。

・保護主義や二国間交渉が強まり、戦後世界を支えた自由貿易や経済協力の仕組みが崩れていること:60.9%
・民主主義ではなくポピュリズムや権威主義が強まりつつあること:60.1%
・課題解決に向けたリーダーシップを持って取り組む国が少ないこと:60.1%
・国際社会の断層が深まりつつあること:54.1%
・合意してきた気候変動や難民に対する行動が立ち消えそうになっていること:42.7%
・自由、民主主義を主張するリーダーが世界でも不在であること:31.7%
・巨大国家間の交渉だけで世界の秩序が形成される可能性があること:18.2%
・心配はない:1.4%
・そのほかの回答:9.3%

戦後から世界を支え続けた自由貿易が崩れかけていることで、経済にも影響があるのではないかと不安を感じる国民が多いのであろう。


アンケート:グローバリゼーション、国家、民主主義について
自由と民主主義が危機に陥っている背景には、グローバリゼーション、国家、民主主義がぶつかり始めていることがあると言われている。
そのことを受け、何を優先すべきであると考えているかアンケート調査を行った。

・バランスを取って進めていく:28.1%
・グローバリゼーション、民主主義を優先:26.0%
・民主主義と国家を優先:21.0%
・グローバリゼーションと国家を優先:5.3%
・わからない:5.7%
・そのほかの回答:13.9%

グローバリゼーションと国家、そして民主主義の3つをバランスよく実現することは難しいとされながらも、バランスを取って進めていくことが望ましいと考えている国民が多いことがわかった。


アンケート:民主主義の現状について
日本やアジアだけではなく世界中で民主主義が危機に陥っているとニュースでも取り上げられているが、国民は世界の民主主義の現状についてどう感じているのかアンケート調査を行った。

・民主主義を機能させるための努力を怠ったツケが現状である:48.8%
・民主主義が信頼を失いかけ、不安や怒りが知識層やメディアに向けられている:30.6%
・世界で起こっている問題の結果は民主主義が機能しているから受け入れるべきである:7.8%
・民主主義が壊れ始めている状態で権威主義化し始めている状態である:6.1%
・よくわからない:0.4%
・そのほかの回答:6.4%

民主主義を機能させるための努力が足りなかったことで招いた結果であると判断している国民が多いことがわかった。
だが、国際政治が不安定になっている状態の現代でも、9割を超える回答者が民主主義を発展させていくべきであり必要であるとも回答している。
そのためにも、国民が現状の問題についてきちんと理解して向き合うことが必要なのであろう。
それとともに、政治やメディア関係者も課題に向かって立ち向かう努力を強めていくことが望まれる。

10ヵ国のシンクタンクが公開フォーラム前に自由と民主主義を語り合う

公開フォーラム前に民主主義の課題を議論
2017年3月4日にG7に加えてインド、インドネシア、ブラジルの3カ国のシンクタンクが集まり東京会議が開かれたが、午後の公開フォーラムが始まる前に非公開の会議を実施した。
そこでは「自由、民主主義と世界が直面する課題」をメインに各国の代表が議論を交わした。
米国大統領選ではトランプ氏が勝利をおさめたが、その影響で欧米中心にポピュリズム政治の影響力が増加。
保護主義や排外主義の傾向が高まったことにより、世界全体で自由と民主主義に大きな課題が生まれた。
非公開会議ではグローバル化と民主主義の間で何を守り、守るためにはどんな努力が必要なのか、そして5月に開催されるイタリアG7のサミットで果たす役割、何を合意するのか語られた。


工藤氏とエットーレ・グレコ氏のスピーチ
言論NPOの代表で会議の司会を務める工藤泰志氏は冒頭で民主主義は不完全な仕組みだが個人の自由を守るもので、トランプ政権の誕生で健全な世論が問われる中、10ヵ国のシンクタンクが集まって迫るG7前にメッセージを出す東京会議は意義のあるものと強く主張した。
日本の立場でG7へのメッセージ案を出汁、世界規範の自由を守る、民主主義を各国がそれぞれ鍛えること、そして自由を脅かす問題を葉以上する決意を入れることを表明して、会議がスタートした。
まずはイタリア・エットーレ・グレコが今回のG7で主要なアジェンダについてスピーチした。
イタリア政府は世界秩序が不安定な道を進むなか、地中海周辺やシリアやリビアなどの危機の議論を行っており、市民保護の実現や格差や不平等などが新しい課題として取り上げるべきと主張。
また、新技術の導入の影響で製造活動や競争環境の変化で非産業化の危機があり、これは社会的・経済的な影響が懸念されることから経済的リノベーションを共通のテーマで議論する考えを語った。
そして、ロシアへの経済制裁に関してはイタリアも参加しているが、サミットでは厳しい態度はとらないだろうと示した。


G7の前にトランプ政権の警戒を意見
もともとサミットは不確実性がつきものだが、トランプ政権による米国の不確実性が誕生した。
気候変動や難民・移民などの人の移動問題や貿易促進に関して、米国は欧州に対して明らかに態度が異なると会議で指摘を受けた。
また、米政権官僚の議会承認の遅れが発生したなど、国務省の人事が埋まっていないと厳しい指摘もあった。
トランプ氏の主張は米国を刺激することで経済成長を遂げることだが、タオルミナ・サミットでは今までとは違った言葉を発言することになると米国の新政権を警戒する意見が出た。
また、ロシアについても意見がでた。
プーチン大統領を戻してG8にする価値が存在するのか、かつての冷戦時代を繰り返さないようにG7を活用し、ロシアと新しい関係をつくれるのではないかと意見が述べられた。
ロシアとは今まで以上に建設的な関係を築く必要性があるが、今後は米国の立場が重要という声も上がった。


日本は難民受け入れの姿勢をどうとっているのか
難民や移民など人の移動に関する問題も世界の課題であるが、冒頭でグレコ氏が触れたように外部的根源の原因はアフリカ各国の姿勢を焦点に当て、新しい取り組みに関して多くの代表者が賛同した。
日本は難民の受け入れに消極的と言われているが、言論NPOが行った有識者アンケートでは「もっと難民・移民を受け入れるべき」の項目に52.3%の人が回答していた。
日本側に安倍政権が提示する難民政策にギャップが存在するかという質問に対して、工藤氏は「回答者と日本政府には温度差がある」と答えた。
その回答の上で難民対策では経済的支援を含めて60億ドルを予算化、緊急性の高い第三国定住目標を推進していることを説明。
シリア難民に関して、少数であるが150人の留学生の受け入れと就職支援のサポートなど、日本が難民受け入れに前向きな姿勢であることアピールした。


問題が多い現状だから自由と民主主義を考える必要性
会議に最後に工藤氏はグローバル化により誕生した不平等は、民間組織が個人の利益に考慮し、生まれた距離を狭める努力が必要であり、今回のサミットは課題も多く厳しいものとなるが、それは次回のカナダで開かれるサミットまで続くと認識を示した。
その認識の上で、そんな現状だからこそ「自由と民主主義」の規範を考える必要があることと、午後から開かれる公開フォーラムの意気込みを語って非公開会議は終了した。


アメリカの影響力は世界的に大きい
保護的主義を主張するトランプ政権の誕生により、ポピュリズムの問題は拡大し、民主主義を脅かす課題となった。
トランプ氏の言動がG7や世界でどのような影響をもたらすか、各国のシンクタンクも警戒の姿勢であり、ロシアとの関係も含めてアメリカの影響力はかなり大きなものと見て分かり、今後の動きに世界が注目するだろう。
人の動きに関する問題も各国で挙がっているが、日本も国だけではなく日本国民も難民に対して理解や関心を持ち、適した政策を一緒に考える必要があるだろう。

グローバル化の課題解決には何が必要なのか

リベラルな秩序の未来を守るためには各国の政策選択が重要
東京会議の公開セッションを前に、3月3日各国間の非公式会議が行われた。
最初に発言したジェームズ・リンゼイ氏は、トランプ氏の大統領選勝利の要因を、アメリカの繁栄に取り残された人々の不安を上手くすくい上げたことだ分析している。
国際関係を「ディール」の視点で見るトランプ大統領の登場に関して、「アメリカの自由と民主主義を基調とするリベラルな世界秩序を弱体化させるのだろうか」との懸念を示した。
その一方で、アメリカ政府内部、議会では「既存の秩序を復興すべき」と考える人が多く、トランプ大統領の発言のチェック、修正をしようとする動きが見られる。
アメリカがこのまま既存の秩序の担い手から撤退するかどうかは分からない状況だ。
リンゼイ氏は、アメリカ以外の国々がリベラルな価値や規範の重要さを再認識し、守っていくことがリベラルな秩序の未来のために重要だとした。


ポピュリストの台頭が起こった背景
バーバラ・リパート氏は、「移民、難民とヨーロッパにおけるカオス」をテーマに報告を行った。
まず、2015年の夏に中東から難民の大量移入が起こったことが欧州の大きな転換点になったと分析。
難民の対応を巡って欧州内の意見は分裂し、シェンゲン協定、EUの政治的結束、安全保障問題などに影響が及んだ。
また、当初は難民受け入れに積極だったドイツも、「オープンな抑止」というスタンスに転換してきている。
しかし、欧州の市民はこれを政府の対応が失敗したと見做しているとの解説がなされた。
課題を解決できなかったエリートに対する反発の高まりが、反リベラルの勢力拡大、極右政党の台頭につながったと見られる。


グローバルな課題を解決するためにはマルチテラリズムが不可欠
カナダのロヒントン・メドーラ氏は、トランプ大統領の誕生以前からグローバルな問題の萌芽があったと指摘した。
具体例として、生産拠点の拡大多様化によって、人件費が安い新興国の労働者が、スキルがなく人件費の高い先進国の労働者を追い落として進出したものの、スキルを高めるための教育が不十分だったことを挙げられる。
これらの政府の対応失敗が、グローバル化に対する不満の原因になっていると分析した。
現在では単なるものづくりよりもアイディアが価値を生み出す構造になっており、スキルのない先進国の労働者は取り残されてしまう。
その結果、WTOに対して先進国が消極的、新興国が積極的な姿勢になるなど、国際経済秩序が真逆の構造に転換していることが指摘された。
その上で、マルチテラリズムを守る重要な役割を担っているのはG7やG20であると主張。
リンゼイ氏に賛同して、アメリカ国内での働きだけに期待するのではなく、他の国々も努力が必要だとした。


トランプ大統領の誕生によって世界秩序に変化が起こるのか
安全保障に関して、楽観的な見通しを示す参加者がいる一方、「WTOの既存の通商秩序が壊れるのではないか」と深刻な懸念を示す声も聞かれる。
3月1日に提出された通商政策課題に関する年次報告書では、WTOのルールに従わないことが明言されており、秩序の破壊について将来を不安視する声が相次いだ。
トランプ大統領の資質を問う声もあり、新しい産業に関する理解不足が指摘されている。
トランプ大統領は不人気な大統領だが、全国的には40〜45%程度の支持率があり、共和党支持者の8割がトランプ大統領を支持している。
「共和党の支持が減れば、トランプ大統領も無視できなくなるだろう」との見方が示された。
また、増税・社会保証給付のカットを行わないとする政策については、赤字が増え続けることによって共和党だけでなくティーパーティーからの非難も集中することが予想される。


トランプ大統領登場による中国の利益
議論はトランプ政権の対極として中国の話題へと移った。
現在はアメリカ、中国のどちらにつくかというように選択肢が限られており、東南アジアの国々は地域的に近い中国に傾くしかない状態だ。
これが中国を利する原因になっているとの声や、米国に対する懸念が中国のメリットを大きくしているとの指摘が挙がった。
中国の弱点としては国民の政治制度への不信感、官僚機構の腐敗、政治の偏りが挙げられる。
今後は、米中二国間の役割を把握し、これらの弱点に対応していくことが重要になるだろう。
この他にも、欧州情勢や北朝鮮問題、金融政策に関する活発な意見交換が行われた。


東京会議初日の議論を通して
今回の基調報告・意見交換では、リベラルな秩序の未来を守るためにはアメリカ以外の国々の努力も必要だとする意見が一致するなど、各国間に共通の問題意識があることが分かった。
これは大きな成果であると言えるが、一方で、トランプ大統領誕生による将来の見通しに関しては意見が割れている。
トランプ大統領やアメリカ政府の動向には今後も注目が必要だ。
その上で今後も各国間で意見交換や議論を行い、各国が協力してグローバル化の課題解決に取り組むことが期待される。

シンクタンクトップによる見解と今後の民主主義のあり方

それぞれの見解を通して
東京会議における議論では、様々な国の民主主義に対するタイムリーな意見交換ができたのではないだろうか。
東京会議に出席した各国シンクタンクトップによる見解は以下の通りである。


ジェームズ・リンゼイ氏の見解
トランプ大統領が誕生したことで、今までのアメリカのあり方が大きく変わろうとしている。
トランプ大統領はこれまでとは明らかに異なるやり方でアメリカや国際秩序をも変えていくと言っているが、そんなトランプ大統領の資質に懸念する人は少なくない。
しかし、ジェームズ・リンゼイ氏(アメリカ・外交問題評議会(CFR)シニアバイスプレジデント)「トランプ大統領が誕生してからまだ数週間であり、これからの外交政策に注目していくべき時期にある。」と語った。


ジョン・ニルソン・ライト氏の見解
イギリス・王立国際問題研究所(チャタムハウス)シニア・リサーチ・フェローであるジョン・ニルソン・ライト氏は、今回の議論の中でもポピュリズムという問題を問題視しているのが10各研究所に共通していると述べた。
ポピュリズムに関しては、非常にシリアスな問題となっているが、それに対して精査性のある実践的な意見交換できたというのは大きな収穫であるだろう。


エットーレ・グレコ氏の見解
グレコ氏(イタリア国際問題研究所所長)は5月のG7で、共通の価値を再確認する必要性を感じたと述べている。
日本が議長国を担って成しえた成果を、今回のイタリアサミットでの目標設定というのは、日本での成果をできるだけ、最大限超えていかなければいけない。
G7はそれだけ同様の価値観を共有できる場となっており、そのような国の集まりであると認識している。
相互協力はこれからも重要であり、5月のサミットでも再確認する必要があるだろう。


サンジョイ・ジョッシ氏
ジョッシ氏(インド・オブザーバー研究財団所長)は今回の東京会議のテーマは世界的に問題視していることだと強調した。
自由民主主義は、そもそも特定の国における独裁ではないということは、定義とも言えるでしょう。
また、民主主義は常に変化が付きものであり、それにその都度対応していかなければならないのである。
民主主義は、指導者だけで進めていくものではなく、自分の意見や観点以外のことにも耳を傾け、学んでいく姿勢が重要なのだ。
そのようなリーダーを出していくためにも、教育や学びの時間を大切にしなければならないだろう。
指導者は、様々な相手にオープンになれる資質が必要となってくる。


フィリップ・ベルモンテ氏の見解
G7という1つのイベントに向けた設計となっている東京会議は非常に有意義なものであったとベルモンテ氏(インドネシア戦略国際問題研究所所長)は語る。
ほとんどの国で、国内問題における対応ばかりに捉われ、共通の課題に取り組めていないという現状がある。
共通課題を解決していくために必要なのが、それぞれの指導者が連携することではないだろうか。
深刻な問題に直面したときにどうすべきか、その際にどれだけ各国が協力できるかが問われている。


ロヒントン・メドーラ氏の見解
10のシンクタンクが集まり、しかも日本からも研究者や外交関係者と世界問題について意見交換できたのは非常に大きな前進だった。
メドーラ氏(カナダ・国際ガバナンス・イノベーションセンター総裁)は、G7で政治課題について議論することは有意義な時間であり、G20ではできないような政治課題などについて議論ができる場であると語った。
さらに、G7では、同じような価値観を共有できる人達が集まり議論していくことは、今後もG7を継続していくことためにも非常に有効なことではないだろうか。
相互関係を構築するためにも、お互いを知ることも大事なことだ。


トマ・ゴマール氏(フランス国際関係研究所)の見解
自由民主主義は、今大きなチャレンジを受けている。
フランスでは、大統領選までは少なくとも政治的に不透明な状態が続いていく。
大統領選のみならず、EUというプロジェクトの未来、ドイツでも選挙が行われますが、そちらが果たしてどうなっていくのか、ということが非常に大きな課題になっていくだろう。


カルロス・イヴァン・シモンセン・レアル氏の見解
シモンセン・レアル氏(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団総裁)は、民主主義に関して、相手と違う意見に耳を傾ける姿勢を現し、その理由を知ることが重要であると述べた。
また、日本人は、問題や重要な内容に関して柔軟に対応できる能力が素晴らしい。
これから日本の貢献は世界にとって共通課題解決に向けても大きなメリットになるだろう。


バーバラ・リパート氏(ドイツ国際政治安全保障研究所(SWP)調査ディレクター)の見解
民主主義はドイツの現状としては比較的安定していると考えている。
しかし、今後は意見を共有することだけでなく、反対の意見を聞くことを前提として議論するようにして行く必要がある。
更に、民主主義の本質を理解していくことも大切だ。
政策に関しても、インプットとアウトプットを上手く活用していくべきだ。


今後の問題解決に向けても、民主主義のあり方や質が再認識されなければならない。
各国の状況や共通課題に対する意見交換はこれからも続けていきたいものだ。
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